辞書をトモダチに、とにかく読んで、読んで、読みまくりました。徹夜して読んでも読み終わらないし、読み終わってもわからないところが多いしで、何度も絶望的になったものです。ですがアメリカ人でしかもクラスのリーダー的存在だった優秀な大学院生も
”I read a lot.But even for me, this
class’s reading is too much!”とぼやいていたので、誰にとっても膨大な量の文献なのだなとわかってちょっとだけ、気が楽になったものです。
アメリカでは、「教科書読んどいて」という一言が日本よりも格段に重みをもつのです。教授と学生の間に、読まなければクラスに(少なくとも有意義には)参加できないことが暗黙のうちに了解されているので、読むことの大変さに途中でクラスをやめていく学生はたくさんいます。まさに”Read
or leave”なのです。
窓枠を乗り越えるのに手間取っていた二人がとうとう飛び降りてきて、自分の脚にぶつかりました。そのショックでやっと動けるようになり、飛び起きて電気をつけると、「強盗」の正体は何と女の子二人組。別に酔っていたわけでも、薬をやっていたわけでもなく、単にめちゃめちゃ陽気で、笑い声が大きい普通の?女の子たちでした。“Isn’t
this ○○’s room?” と言うので “No.’’と答え、詳しく話を聞くと、窓を開けといてくれる約束になっていた友だちの部屋だと思って、ぼくの部屋に入ってしまった、というのです。“What’s
his room number?” と、その友人の部屋の番号を聞いてみると、結構離れている場所でした・・・。人騒がせな、と思いつつも二人をその部屋まで連れて行き、その友人に引き合わせてあげると、さっさと自分の部屋に戻って、寝袋を引っかぶって寝てしまいました。
次の日、隣部屋の友人Neilにこの話をすると、“Oh, my God!’’ と大爆笑。「気をつけろよ」なんてことは一言も言わずに、部屋まで案内してやるなんて人がいいな、と笑いながら言われておしまいでした。
彼はおじいちゃん、おばあちゃんのところへ行くところで、その日初めて一人で飛行機に乗ったのだそうです。
"I came from Japan." といったぼくに、Bobはアメリカのことを教えてくれました。
彼が最初に話してくれたのは、 "It's a free country." (アメリカは、自由の国なんだよ。)ということ。
10歳の子どもが誇らし気に語り、20歳過ぎの自分がかしこまって聞いていたその図は、今思い出しても微(苦)笑してしまいます。
そしてアメリカという国では、10歳の子どもにも国の理想がしっかりと伝わっていることに感心させられました。